• ボイラーを炊かない太陽光だけで完熟させた宮古島マンゴー

    天候に左右されやすいマンゴーの生育をIoTで加速するーー
    そんな実証実験を長北ファームで、沖縄セルラー・KDDI・スカイディスク・琉球大学が4月から開始しました。

    マンゴーの栽培は、天候の影響を非常に受けやすく、
    昨年のようにマンゴーの開花時期に天候が悪かったことで、沖縄南部では収穫が例年の半分でした。

    そこで、IoTを活用して長北ファームの実験ハウスから観測データー送信し、琉球大学のLEDによる補光で日照不足を二酸化炭素(CO2)の局所添加技術で生育不良を補充する実験が始まりました。

    今年から始まったこの実証実験の結果が、来年の収穫時期にはどのような結果がでるのか楽しみです。

    マンゴーの成長をIoTで加速するーー果実栽培にLoRa活用、沖セル・KDDIなどが長北ファームの農場で実証実験
    栽培期間を1〜2か月短縮
    この実証実験は、IoTを活用し、ハウス内におけるマンゴーの生育不良の改善や、栽培期間の短縮を狙う取り組みです。具体的には、生育を妨げる異常高温・乾燥・高湿度・日照不足・生育不足といったハウス内の状況を、IoTネットワークのLoRaWANを使って遠隔監視。さらに、LEDによる補光や、光合成に必要なCO2(二酸化炭素)の補充などでマンゴーの生育を促進させます。実証実験では「栽培期間を1〜2か月短縮することが目標」と担当者は語ります。

    実証実験を行うマンゴー農場の長北ファーム(沖縄県宮古島)実証実験の中心となる沖縄セルラーは、2013年から社内ベンチャーとして野菜工場事業を開始。沖縄県内に2つの野菜工場を運営し、レタスなどの葉物野菜を県内のファーストフード店やスーパーに出荷しています。また、自宅でレタスなどの葉物野菜を自給自足できるIoT水耕栽培キット「やさい物語」も発売するなど、通信キャリアでありながら野菜分野に注力。今回の実験ではそれらの知見を活かすとしています。
    ハウス内の状況は、LoRaに繋がるセンサーを経由して遠隔で把握できる(画像は温度)
    農地にIoTを導入するにあたり、課題となるのが電源やネットワークの確保です。そこで今回の実証実験ではLPWA(LowPower WideArea)の「LoRaWAN」を導入します。これは、免許不要の920MHz帯を使ったIoT向けの広域通信ネットワーク。通信速度は数百bps〜数百kbps程度と遅いものの、基地局から5km〜10kmという広範囲をカバー。そして、電池駆動で最大10年持つという省電力を売りにします。これを活用して、マンゴーハウス内に低コストでIoTを導入できるとうたいます。
    ハウス内に設置するセンサー
    今回の実証実験では、KDDIがマンゴーハウス内でLoRaWANのエリア化を実施します。また、スカイディスクが、LoRaWANに対応したセンサーを提供。そしてマンゴーハウス内の異常高温や低温、乾燥、高湿度、日照不足などを観測するIoTセンサーデバイス「SkyLogger」も提供します。
    スカイディスクの提供するSkyLogger。異常高温や低温、乾燥、高湿度、日照不足などを観測可能。この観測データをもとに、例えば日照が足りない場合には、LEDで補光するなどの措置により、マンゴーの成長を促進させられる。
    琉球大学では、マンゴーの成長を促進させるCO2(二酸化炭素)の局所添加技術を提供します。一般的な野菜工場では、光合成に必要なCO2の濃度を高めることにより、野菜の成長を促進させ栽培期間の短縮を実現しています。一方で内部を密閉しないとCO2が逃げてしまい、一般的なハウス栽培には適用できない課題がありました。実証実験では、ハウス栽培において局所的に二酸化炭素濃度を高める局所添加技術を導入し、この有効性を確かめるとしています。